私が初めて結婚相談所の門をたたいたのは26歳の時でした。高校を卒業して暫くの間、地方へ単身で働きに出ていました。その間に好きな人が出来た事もあったのですが、なかなか結婚というところまでは行けずに、帰郷する事になりました。
気が付いたら20代の半ばになってしまい、どうしても30歳そこそこの歳になるまでに結婚したいと思ったのが、私を結婚相談所へ足を運ばせる理由だったのです。
その結婚相談所は、新聞などによく出ている出会いの紹介所のようなものでした。
今のようにインターネットなどはない時代だったので、まずは一枚のハガキをそこへ出すところから始まって、入会が決まった時点でその会社に挨拶がてら入会手続きに、車で2時間ぐらいかかるその相談所まで行ったのを、今でも覚えています。
そこはマンションの一室を事務所にして、看板も出さずにひっそりとやっておられるような印象を受けました。ちょっと年配の女性ばかり4人ぐらいのスタッフがおられました。初めてお会いする方ばかりだったのに、すごくニコニコとされておられ、まるで家族の一員でもあるかのように接して下さいました。
年齢的には、当時私の母親よりもちょっと若いぐらいの世代の方だったでしょうか。
聞くところによると、スタッフ全員がパート職とか公務員とか、はたまた会社社長の夫人で家業を持っているとか、それぞれ本職の傍らといった方ばかりで結成した、副業的な組織だったようです。
当然、会費なども最低限に抑えられ、なかなか良心的な組織でした。
私は一度その相談所の主催で行われた、今で言う婚活パーティーみたいなものに出席した事もあります。
なかなか意中の女性を見つけるまでには至らなかったのですが、その時思ったのは26歳という年齢は男性の中では一番若いぐらいでした。みんなで色々と話をしたり、自己紹介を書いたカードなどの交換もしたのですが、女性でさえ私より年上の人もたくさんいました。
私は31歳になるちょっと前までそこの会員になっていたのですが、ちょうどその頃に別のところからお見合いの話がきて、楽しかった婚活の思い出を胸に退会する事になりました。
そう、その時の見合い相手が、今の妻というわけです。
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